富田さんがタクシー
で送ってくれた。
もう電車もない時間だったし、有り難かった。
でも確かこの人の自宅は反対方向なのに大丈夫なんだろうか…。
そんな事を頭の片隅で思ってみたものの
今の私は
Yの事でいっぱいいっぱい。
カラオケで解散してからの私はより一層おかしくなっていた。
あまり記憶にないが、
先輩が先に降りてから
泣いた…と思う。
富田さんがまだ居たのに…。
富田さんは気のいいおぢさんだ。
私の頭をヨシヨシしてくれた。
それでも泣き止まない私。
この交差点を曲がらないと自宅に辿り着けないという所に差し掛かった。
タクシーの運ちゃんが、
「どうしますか?曲がりますか?」と聞いてきたので「お願いします。」と顔を上げて言おうとした時、
「まっすぐ行って。」は?何を言い出すんだこのおやぢは…。
私は慌てて
私
「曲がってください」と訂正をしたが、
「いいから…まっすぐ適当に走ってて。」おいおい…どういうことなんだ…
何がしたいんだ、このおやぢは…。
の事もあって頭が混乱していたが、
「
これはやばい」と警笛が鳴った。
しかも気付けば私は肩を抱かれてるし…
一気に目が覚めた。
タクシーの運ちゃんに今度はより強く
「ここを曲がってください」と言ったら私の方の話を聞いてくれて曲がってくれた。
(何か察したのかも…?)
事なきを得て自宅に着いた。